6月のお知らせ(外用剤について)

 

 

皮膚外用剤の剤形や基剤について

 

 外用剤の基剤はエアゾール剤、液剤、眼軟膏剤、経皮吸収型製剤、懸濁剤、乳剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤、などに分類されていました。ところが薬局方改正(15→16)になった際に15改正の時にはクリーム剤は軟膏剤として分類されていましたが16改正では乳化しているものはクリーム剤と定義されるようになりました。

 

 そこで何がおこったかというと

    2007.4.18     

             (株)ノバルティスファーマ

 

       オイラックス軟膏 → オイラックスクリーム への名称変更について

 

   本剤は乳化剤を用いたクリーム剤ですが1957年発売当時に剤形に「クリーム」の概念がな

  かったことから軟膏剤として販売されました。しかし、現在の日本薬局法では本剤は「クリーム

  剤」に相当するため今回、剤形名を「クリーム」に変更しました。変更は名称のみで、成分、基

  剤、添加物はこれまで通り変更ありません。

 

と名称変更となった商品が数多く発生しました。

レスタミンコーワ軟膏やケラチナミンコーワ軟膏など・・・。薬剤師はよいのですが患者さまはそうはいかなく「軟膏を頼んだのにクリームだったので変えてほしい、あるいは間違っている。昔もらったのが軟膏だったのでそれがいい。」とのお声をたくさんいただくはめに、もちろんお渡しする際に説明はするのですがこれがなかなか納得していただけない患者さまも見えたりして大変だったものです。

 皮膚外用剤は薬物、基剤、添加物から調整されています。基剤や添加物によって経皮吸収性が変わることがあり使用感や適用部位が変わってきます。

         油脂性軟膏: 紅斑 丘疹 苔癬化 水泡 びらん

         水溶性軟膏:           水泡 びらん 潰瘍

         クリーム : 紅斑 丘疹 苔癬化(水泡 びらん 潰瘍 不可)

         ローション: 紅斑 丘疹       (びらん 潰瘍 不可)

昔、かゆみに効く薬だからともらった薬を、今、かゆいからと安易に使用しないほうがいい場合があるので注意しましょう。ちなみに、古い(!?)薬剤師では親水軟膏や吸水軟膏と言えば耳なれた名称ですが今では親水クリーム、吸水クリームで親水軟膏という呼び名は別名です。とっさに頭に浮かぶのは軟膏の方ですが(笑)。最後に化粧品では親水軟膏はバニシングクリーム、吸水軟膏はコールドクリームと呼び医薬品業界より早くからクリームとしての認識だったようです。なんとなくですが、~軟膏とかいてあると〈薬〉、~クリームとかいてあると〈化粧品〉とイメージされるのは私だけでしょうか?

                                    高塚店  小泉