昨年の12月にふたば薬局矢橋店の管理薬剤師になりました和田と申します。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
今月のトピックスは、私の長年の持病である片頭痛についての話にしたいと思います。
この片頭痛については、多くの人が日常生活を過ごす際に悩まされているのではないかと思います。
【片頭痛】・・・日本人の約8%、女性の割合が多い(特に30歳代)。
<特徴>
・脈に合わせてズキンズキンと痛む。
・頭の片側が痛むことが多い(両側の場合もあります)。
・光、におい、音に敏感になる。
・吐き気を伴う。
・前兆(閃輝暗点という星がチカチカしたものが見える、視野が欠ける、生あくび、肩や首筋のこりが生じ
る)のある方、ない方があります。
この閃輝暗点は徐々に拡大する場合と、そのままの大きさでやがて消失する場合があるようです。消失
時間も15分~数時間と個人差があります。
→私の場合は、閃輝暗点が見えて、小さな光の点の集合が次第と拡大して約20分でなくなるのですが、
無くなる頃に頭痛が始まります。
閃輝暗点が見えるようようになったら、過去100%で片頭痛が起こっています。
・体を動かすと痛みが強くなる。
・遺伝する場合が多い。
<原因>
・睡眠不足、過眠による生活リズムの乱れ
→私の経験では、睡眠不足は日々の睡眠不足の累積で起こる場合が多いです。しかし、過眠は高頻度で生
じる場合が多かったです。例えば、普段6時間睡眠だった頃に10時間ぐらい眠ると高頻度で起こりま
した。よく寝た!気分も良い!と感じていても、その後に片頭痛が起こって体調が悪くなるので、最悪
でした。
・緊張状態から解放されて、“ほっと”したとき
→これも多く経験しました。忙しい仕事から解放されて、やっとゆっくりと自分の時間を過ごせると思っ
た矢先に片頭痛・・・なんて結構ありましたね。
・雑踏、人込み
・眩しい場所、騒音、においなどの刺激
・熱いお風呂、サウナ
・アルコールや特定の食品(チーズ、ワイン、チョコレート、香辛料、柑橘類等)
→日本人はあまり食べ物で左右されにくいとのことですが、今までの片頭痛の患者様にそのことについて
尋ねたところ、人それぞれに片頭痛が起こりやすくなる食べ物があるみたいです。私の場合は、空腹時
のコーヒーで高頻度に片頭痛が起こります。
自律神経を介して、血管の収縮・拡張のリズムが崩れて起こるものと考えられています。具体的には、血管
が拡張した際に三叉神経(サンシャシンケイ;額、頬、下あごに通っています)を刺激して、その三叉神経か
ら、視覚・聴覚・嗅覚を司る中枢、嘔吐中枢、大脳に伝わり、片頭痛の症状が起こるのではないかと考えら
れています。
<対処>
・規則正しい生活を心がけて、自律神経の働きを整える。
・痛くなりそうなときに頭部を冷やして安静にする。
痛くなった場合
・暗く静かな場所で安静にする(光・騒音・においで症状が悪化する場合あり)。
・こめかみ、痛む場所を冷やしたり、圧迫する。
・カフェイン摂取
→脳の血管が収縮して楽になるとの話もありますが、カフェインが分解されてなくなると、逆に症状が悪
化する場合があるので注意が必要。
・お風呂に入る
→熱い風呂に入ると血管が収縮して楽になるとの話もあります。しかし、入浴時の風呂の熱さや、入浴後
の体温低下により、血管が収縮したり拡張したりするので、かえって症状が悪化する場合もあります。
私の経験では、片頭痛時に風呂に入ることにより、2回目の片頭痛が連続で起こったこともあります。
・片頭痛用の処方薬を服用する
→市販の鎮痛剤では片頭痛を治療する作用はありません(軽い痛みであれば緩和できる場合もあります。
その場合も、どの鎮痛剤がよく効くのかについては人それぞれの相性があるようです)。どの市販薬を
服用しても効果がない場合、今まで服用していた市販薬が効かなくなった場合、鎮痛剤を月10回以上
服用している方は、早めに病院に受診することをお勧めします。
薬について
・トリプタン系薬剤(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス等)
→普段、私が服用している薬です。吐き気も含めて片頭痛にも効果は良いが、価格が高いのが欠点です
(1錠1000円近くするものもあります。イミグラン錠のみジェネリックが存在します;約330円/錠)。
片頭痛時に服用して薬ごと吐いてしまう場合には、点鼻液(イミグラン点鼻液)もあります。
・エルゴタミン製剤
→閃輝暗点が見える場合は、エルゴタミン製剤(クリアミン配合錠等)の効果がよいみたいです。価格も
比較的安価です。ただ、前兆時または頭痛発作後の早めに服用することが大切です。また、妊婦・授乳
婦・コントロールできない高血圧症の方は、服用できないので注意して下さい。
・予防薬
カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬、β遮断薬・・・これらも保険適用可能です。
サプリメント(ビタミンB2やマグネシウム)
ハーブ(ナツシロギク)
漢方薬(呉茱萸湯、桂枝人参湯、釣藤散、葛根湯、五苓散)
・症状が軽い場合は、アセトアミノフェンや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が処方される場合もありま
す。
参考までに、幼少からの私の片頭痛の体験も含めて記載してみました。片頭痛を避けるうえで大事なことは、規則正しい生活をして体調管理することです。私の場合は、起床後に腕を前後・左右に振って、首~肩の筋肉のコリをほぐす予防体操みたいなこともしています。
片頭痛をなくすことは難しくても、頻度・回数を減らす努力を是非がんばってみてください。それと専用の薬あるので、我慢せずに医師や薬剤師に相談するようにしてください。
矢橋店 和田