今月は男性のおしっこの悩みに関係する「前立腺肥大症」のお話しです。
皆さんは前立腺という臓器をご存知でしょうか?
前立腺は、膀胱の下にあり尿道を取り囲んでいる臓器で、その主な働きは精液の一部を産生することです。
前立腺肥大症の症状
前立腺が加齢に伴って太ってくるのが前立腺肥大症で、中を通る尿道を圧迫
するため、
「オシッコが出にくい」
「勢いが弱い」
「残尿感がある」
などの症状が現れます。また、肥大した前立腺が膀胱を圧迫して刺激するために、
「急な尿意が生じて漏れそうになる」
「夜間におしっこに何度か起きる」
といった症状が現れることもあります。
前立腺肥大症の治療は?
前立腺肥大症の治療は通常お薬の内服で始まります。内服薬には前立腺で圧迫された尿道をリラックスさせて尿の通りを良くする薬や、前立腺を少しずつ縮小させて3割ほど小さくする薬が主流で、これに膀胱を安定させる薬や漢方を組み合わせておしっこの状態を安定させます。
つらい尿閉
前立腺肥大症では、膀胱にたまったおしっこが自分では出せなくなりとても苦しくなる「尿閉」が時に生じることがあります。肥大症が重症な方に生じることが多いですが、次のようなことが誘因になる場合があり、注意が必要です。
・総合かぜ薬、胃腸薬、下痢止め、抗うつ薬
~これらの薬の中にはおしっこの出方を悪くする成分が含まれている場合があります。
服用する際には、薬剤師や医師に肥大症の治療薬を内服中であることを伝えましょう~
・飲酒(宴会など)
・おしっこの我慢
春の訪れとともに、お花見など宴会の機会が多くなる時期ですが、肥大症の症状がある方は十分にご注意を!
平田店 重盛