6月のお知らせ(抗生剤)

   

今回は抗生剤についてお話したいと思います。 

 

抗生剤はいわゆるばい菌を殺す薬として、皆さん認識されていると思います。しかし、この抗生剤は細菌には有効であるが、ウイルスには全く効果がないということをご存じない方が多いというのが現状です。

また病院で抗生剤を処方されても、全部飲まずに、勝手に飲み残す方も多いのではないでしょうか?

 

今、薬剤耐性菌が問題となっています。

薬剤耐性菌とは抗生剤を使っても死ににくい、耐性を持った菌のことです。

日本は抗生剤の使用量が多く、耐性菌が生まれやすい環境です。耐性菌に感染すると、今までなら抗生剤で治療できていたはずが、有効な抗生剤がないため、効果的な治療ができなくなってしまいます。

 

厚生労働省も問題視しており、「抗微生物薬適正使用の手引き」を発表し、抗生剤の必要最小限の使用を医療機関に呼びかけています。具体的には2020年までに抗生剤の使用量を33%下げる目標を掲げています。

 

私たちの体には様々な菌が生活しています。菌達は増殖しようと日々頑張っていますが、他の菌に邪魔され、一定の数に抑えられています。この状態に抗生剤を服用すると抗生剤に耐性がない菌達は死滅しますが、耐性のある菌は若干生き残ります。抗生剤を飲みきれば耐性があっても大部分の耐性菌は死にますが、中途半端に止めてしまうと、他の菌がいないため、生き残った耐性菌が一気に増殖してしまいます。これが耐性菌が出てくる過程です。冒頭で抗生剤の飲み残しに触れましたが、飲み残すと耐性菌が生じやすく病気も治りにくくなってしまうということになります。

 

こういうことを書くと抗生剤が悪いように思われるかもしれませんが、抗生剤は適正に使えば非常に有用な薬です。そこで、是非皆さんにお願いしたいことが2点あります。 

 ① 風邪などで、病院にかかった時、医師に抗生剤を処方して欲しいとお願いするのは

   やめて頂きたい。医師は抗生剤が必要か必要でないか判断したうえで処方箋を書きま

   す。なので抗生剤が出ていないということは、必要でないことを意味しています。

 ② 抗生剤を処方された場合は必ず飲みきることです。きちんと飲み切らないと、耐性

   菌が増え、現在発売されている抗生剤を使っても、ばい菌を退治できなくなってしま

   いす。

 

今ある抗生剤を長く使うために、皆さんで耐性菌ができないように協力してください。

よろしくお願いいたします。

 

 

                                 ふたば薬局川島店 平