9月のお知らせ(舌下免疫療法)

 

    アレルギー性鼻炎の治療には、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を薬で抑える

薬物療法(対症療法)とアレルゲン免疫療法があります。
アレルゲン免疫療法は、根本的な体質改善が期待できる治療法で、

長期にわたって症状を抑えたり、症状を和らげたりすることが期待できます。
注射でアレルゲンを含む治療薬を投与する皮下免疫療法と舌の下で行う舌下免疫療法があります。
    今回は舌下免疫療法をご説明します。

 

    舌下免疫療法は、近年登場した自宅で服用できるようになったアレルゲン免疫療法のひとつで、

スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を

抑える効果が期待できます。
   症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。

服用期間は、1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間に

わたり継続して服用します。 定期的に受診し、3年以上の服用期間が推奨されます。

   スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉が飛んでいる時期は新たに治療を開始することはできません。
また、対症療法と違い、スギ花粉が飛んでいない時期も含め毎日服用します。
ダニアレルギー性鼻炎の場合は時期に関わらず治療は始められます。
ただし、それぞれ治療できるのは特定の医療機関に限られています。

トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ』を参考に医師や薬剤師に相談されるとよいでしょう。

 

   服用方法は、治療薬を舌の下に置き、おくすりごとに定められた時間保持したあと飲み込みます。

その後5分間はうがい・飲食を控えます。
服用する前後2時間程度は、激しい運動・アルコール摂取・入浴などを避けます。
   初めての服用は、医療機関で医師の監督のもとで行い、2日目からは自宅で服用します。
   主な副作用として、口の中の副作用(口の中の腫れ、かゆみなど)・唇の腫れ・のどのかゆみなどが

あります。
   また重大な副作用としてショックやアナフィラキシーがあります。

 

   今年のスギ花粉のシーズンは、例年と比べ症状がひどい患者さんが多数来局されました。
治療法の選択肢にアレルゲン免疫療法が加わることによって、患者さんのQOL(生活の質)が

改善されることを願っています。

 

平田店 前田


参考:トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ(https://www.torii-alg.jp/