10月のお知らせ 麻しん(はしか)


 今月は麻しん(はしか)についてお話ししたいと思います。

 

 今から3年前の2015年、WHO(世界保健機関)は、日本が麻しん排除状態にあると認定しました。
 現在では、日本国内での自然発生はごくまれで、海外から持ち込まれる輸入麻しんの症例が問題となっています。
 今年の3月、沖縄で海外からの旅行者をきっかけに麻しんの感染が拡大したニュースは記憶に新しいかと思います。そして、8月、9月にはこの三重県内でも麻しん患者の発生がありました。

 麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる感染症です。感染経路は、空気感染、飛まつ(咳やくしゃみなど)感染、接触感染で、感染力は非常に強力です。麻しんに対する免疫が不十分な人が感染するとほぼ発症してしまいます。
 症状は、感染の約10~12日後に発熱、咳、鼻水、目の充血などの症状が現れ、2~3日後に39度以上の高熱と発疹が出現します。発疹が出現する前には、口内の頬粘膜にコプリック斑(小さな白色の斑点)が出現する事もあります。
 麻しんは年齢に関係なく重症化することがあり、肺炎や脳炎の合併症を引き起こし死に至ることもあります。また妊娠中に感染すると流・早産を起こすことがあり注意が必要です。

 麻しんにかからないようにするためには、麻しんワクチンの予防接種を受け、免疫を獲得する事が最も有効です。
 麻しんワクチンは、1回の接種では十分な免疫が付きにくいため、2回の接種が必要です。
 現在日本では、1歳時と就学前の2回の定期接種が導入されています。導入される以前の、現在28歳以上の人は1回のみの接種または接種をしていない可能性の高い世代となります。
 これまでに麻しんにかかった事のない方、特に妊娠を希望している女性やその家族、麻しんの流行している地域への海外渡航を計画している方は、予防接種の検討をおすすめします。ただ、妊娠中の場合は、麻しんワクチンは生ワクチンであるため予防接種は受けられません。
  
 もし、麻しんが疑われる症状があった場合は、早めに医療機関を受診(受診の前に麻しんが疑われることを事前に連絡しておく)することが大切です。

 今一度、ご自分やご家族の母子手帳の麻しんの予防接種歴を確認されることをお勧めします。

 

                                                                               平田店 増田