12月のお知らせ(睡眠の質の向上)

 今月のトピックスは、睡眠の質の向上についてお話します。

 

 多くの方が、寝付けない、途中で目が覚める、朝早くに目覚めてからなかなか眠れない等、睡眠に関する悩みを抱えていると思います。

 

 必要な睡眠時間については、特に決まりがあるわけではないです。何時間寝たかではなく、質の良い睡眠を何時間得られたかが重要です。そのための方法について、まとめてみました。

 

就寝時間を同じ時間にする。

  朝起きて、夜に眠る時間を一定にすることにより、体内時計(サーカディアンリズム)が整い、規則正し 

 い時間に眠気を感じるようになります。体内には睡眠に関わるメラトニンというホルモンが分泌されてお

 り、うまく分泌されるように調節することが大切です。

 

起床時間は早めに同じ時間にする。

  夜遅くまで眠れなくても、起床時間は同じにして、太陽光を浴びて体内リズムをリセットします。すると

 自然に、夜の同じ時間帯に眠気を感じるようになります。また、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンも分泌

 されるため、意欲がわいてストレス(睡眠にとって大敵)も減ります。日中に眠気を感じる場合は、30分

 以内であれば、仮眠をとって眠気を少し和らげて体力を回復すると良いと思います。

 

レム睡眠時にスッキリと目覚める。

  睡眠は約90分周期で、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を繰り返します。ノンレム睡眠は脳

 の活動が休止している状態で、この時に目覚めると頭がボーとした寝ぼけた状態になります。レム睡眠は記

 憶の整理を行います。起きた際に夢を覚えている場合は、このレム睡眠時に覚醒した場合で、すっきりと

 目覚めることができます。

  タイミングよくレム睡眠時に覚醒することは難しいと思われますが、最近では、睡眠アプリやフィットネ

 スバンドの機能が充実しており、レム睡眠時(時間帯)にアラームを鳴らしてくれる機能もあるようです。

 スマートフォンをお持ちでしたら、一度睡眠アプリを試してみるのも良いかもしれないです。

 

起床時は太陽の光を浴びる。

  太陽の光を浴びるとメラトニンが分解されて覚醒し、今度はセロトニンが分泌されて活動レベルが向上し

 ます。再び夜になるとメラトニンが分泌されます。このリズムを一定にするために、できるだけ早い時間に

 カーテンを開けて日光を少しだけ浴びるようにしましょう。

 

ウォーキングをする。

  運動するとセロトニンの分泌が増えるといいます。また、外を歩くことによって目の疲労が軽減したり、

 血行も良くなり、睡眠の質も向上します。

 

ブルーライト・光を避ける。

  最近は寝る前にスマホを操作する人が多いと思います。スマホ、パソコン等のブルーライトはメラトニン

 を分解して、脳を覚醒して睡眠の質も下げます。睡眠1時間前にはこの点に注意して、お休み状態を作るこ

 とが大切です。

  また、光そのものがメラトニンを分解したり、分泌量を減らすこともあるので、部屋の明かりを消す、ま

 たは薄暗くして眠る方が良いでしょう(真っ暗が理想的)。明るくないと眠れない方も、少しずつ暗くしな

 がら眠れる環境に変化させましょう。

 

飲酒を控える。

  寝酒は眠りが浅くなり、疲れが取れにくくなります。そのため、生活の質がどんどん低下します。早く眠

 る目的のための寝酒であれば、やめるようにしましょう。

 

生活の騒音を避ける。

  テレビ、ラジオ、音楽などをつけたまま眠ると、ぐっすり眠れない、疲れが取れていないと感じる人も多

 いでしょう。また、耳栓をして必要以上に無音にすると、逆にストレスを感じてしまう場合もあるようで

 す。就寝時に気になる音は避けて、ストレスを感じにくい睡眠環境を作るようにしましょう。

 

快適な室温と湿度に保つ。

  睡眠時の快適な室温は26~27度、湿度は60%前後だといわれています。電気代はかかりますが、エアコ

 ン、除湿器等でそのような睡眠環境に整えることも有効だと思います。

 

快適な寝具を選ぶ。

  枕(高さ、硬さ、頭を置く位置など)、マットレス(密度、反発力など)、布団(暖かさ、重さ、通気性

 など)も睡眠状態に影響をかなり与えます。寝具を専門家と相談して見直すことも、睡眠の質の向上につな

 がるでしょう。

 

その他、ストレス・疲労を軽減する。

 ・入浴

  お風呂に浸かって血行を良くすると、老廃物を排泄させて栄養も細胞に行きわたるため、睡眠の質が向上

  します。

 

 ・カフェイン摂取

  興奮物質であるカフェインは、摂取してから30分くらいで効果が出始め、4~5時間は強く作用します。睡

  眠前には多く含むもの(コーヒー、日本茶、ココア、紅茶、コーラなど)の過剰摂取は避けましょう。

 

 ・目の緊張をほぐす。

  積極的に目のケアを行うことも大切です。目の緊張をほぐす方法としては、頭を固定した状態で可能な限

  り右端を見て15秒程度静止させましょう。その後、左・前・後にも同じ動作を行います。

 

 

 夜になってただ眠るだけではなく、質の良い睡眠をとることで、心身ともに健康になります。生活習慣病(高血圧、糖尿病、メタボリック症候群、喫煙など)の予防にも効果があるといわれています。睡眠に最適な環境を作り、寝る前の時間を大切にしましょう。瞑想や血行の良くなるストレッチも効果的だと思います。

 

 睡眠環境・状況を整えても、睡眠についてお悩みがある場合は、一人で抱えずに、専門医に相談するようにしましょう。

 

 

                                                       矢橋店 和田