4月のお知らせ(口内炎と舌がん)

 

 

タレントさんが闘病中と公表した舌がん。自身のブログで、最初は小さな口内炎と思っていたが、実は口腔がんの一種である「舌がん」だったと明かした。

 

 舌がんの発症率は十万人に2、3人で、希少がんと言えるが、口腔がんの中では患者が最も多い。公表以後「自分もがんでは」といった問い合わせが増えているという。私も何人かの患者様から同様の訴えを聞きました。

 

 口内炎は通常1~2週間以内で治り、1か月以上続くことはまれ。これに対し、舌がんは月単位で少しずつ悪くなる。また口内炎の多くは痛みが出るが、早期の舌がんは痛みがないこともある。

 

 がんの多くは組織の粘膜が何らかの原因で刺激され、慢性炎症を起こすことから発症する。舌がんの場合、リスク要因は喫煙、飲酒、口腔内の不衛生のほか、欠けてとがった歯や歯並びが悪くて内側に倒れた歯が舌を刺激することなど。

 

 舌は半分程度なら切除しても、別の部位の皮膚や皮下脂肪などを使った再建手術によって会話や食事など日常生活で大きな支障が出る事は少ない。半分以上切ると、のみ込みが難しく、聞き取りづらいこもった声になるなどの後遺症が出る。

 

 口腔がんは舌以外にも、ほおの裏の粘膜や上あご、歯茎などにもできる。歯槽膿漏や歯肉炎のほか、異物を埋め込むインプラントや合わない入れ歯による刺激もリスク要因になり得る。定期的に歯科を受診し、口腔ケアを続けることが予防になります。

 

 

 

                          ふたば薬局平田店 竹尾