10月のお知らせ(正常眼圧緑内障)

 

今月は、正常眼圧緑内障についての話にしたいと思います。

 

 今年の夏もかなり暑くて、紫外線も強かったですが、目の病気には十分に注意が必要です。私も50歳近くではありますが、中高年になるとピント調節機能や視力が衰えてきます。

  調べてみると、従来の常識が大きく変わりつつあり、40歳以上の緑内障が増えていることがわかりました。

 

 緑内障の原因と特徴

 ・眼圧が高くなる、目が正常な機能を保てる適正以上の眼圧になることにより、視神経が障害される病気。

 ・視野が欠損したり、視力が低下したりする。進行すると失明の危険性もある。

 ・一度障害を受けた視神経は、再生することがないため、緑内障は現状では回復する治療法がない。

 ・症状は徐々に進む場合と、急速に悪化する場合がある。

 ・通常、視神経の障害はゆっくりと進み、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、

  そのため、見え方に違和感があると気づいた時には、緑内障はかなり進んでいる場合がある。

 ・薬物療法、レーザー治療、外科的手術により、症状の進行を抑える・遅らせることが可能。

 

 ただ、最近では、眼圧は正常範囲であるのに緑内障である“正常眼圧緑内障”の患者が日本人に多いことがわかっています。以前に、岐阜県多治見市で実施された疫学調査では、40歳以上の20人に1人が緑内障だったとのことです。さらにその中で約6割の方は、眼圧が正常であったとのことでした。かつてはお年寄りの病気と考えられていましたが、近年の調査から40歳頃からは誰もが発症可能であることがわかってきました。その背景にあるのが、正常眼圧緑内障です。

 

 この正常眼圧緑内障は、進行が緩やかで、よほど悪化しないと自覚症状もありません。なんとなく見えにくい、見え方がおかしいと感じて受診したときにはかなり進行しているケースが多いようです。

 

 正常眼圧緑内障になりやすい原因

 ・血縁者に正常眼圧緑内障の人がいる。

 ・加齢

 ・近視の状態が強い・ひどい。

 ・ストレス、疲労の蓄積(パソコンを長時間見つめる等)

 

 40歳を過ぎたら、誰でも一度は緑内障の検査を受けるようにしましょう。また、高齢になるほど発症率も高くなるので、近所や通いやすい場所に「目の主治医」をつくり、定期的にチェックしてもらうようにすると安心です。ストレスと目の疲労をためないように、睡眠をきちんとり、気分転換を図ることも大切です。

 

                                        矢橋店 和田