2月のお知らせ(肝炎ウイルス)

 

今月は、肝炎ウイルスについて

 

 肝硬変や肝臓がんの原因になる肝炎ウイルス。B型もC型も血液を介して感染するウイルスです。

 

 B型は出産時の母子感染と幼少期の同一注射による予防注射などで広がりました。

 C型は、ウイルス発見前の輸血などの医療行為と、入れ墨などの観血的な行為が感染源となりました。

 

感染すると、一過性に終わってウイルスが体内から自然に排除される場合もありますが「持続感染(キャリア)」の状態になることも少なくありません。

 

 C型は約7割がキャリアになります。目立った症状もなく感染に気付かないキャリアの人もいますが、肝臓の細胞が長期間にわたって壊れ続ける「慢性肝炎」に至ることがあります。慢性肝炎の状態が続くと、肝臓が線維化して硬くなる「肝硬変」につながる恐れが出てきます。線維化が進むと肝臓がんが発生しやすくなります。

 

 B型の治療では、2000年代にウイルスの増殖を減らす効果のある飲み薬が登場しました。ただ、完全に除去できないため、原則的に生涯飲み続けなくてはなりません。肝臓がんを防ぐため、注射薬の併用も必要です。ウイルスが血中に認められなくても、免疫抑制剤や抗がん剤で免疫の働きを弱めると、ふたたび増殖する場合があることもわかってきました。

 

 C型も治療はウイルスを排除する薬を使うことになります。以前は副作用があり高齢者に使いにくかったインターフェロンという注射薬が主な治療でしたが、近年はインターフェロンを使用しない飲み薬が登場しました。B型と違って薬でウイルスをゼロにすることが期待できます。

 

 日本の場合、年間2万7千人が肝臓がんで亡くなっていますが、年間死亡者数は2000年から減る傾向にあります。その大きな要因としては、肝炎検査の促進や、抗ウイルス薬やワクチンの推進などの肝炎ウイルス対策が進んで、B型やC型肝炎ウイルスの感染者が次第に減ってきていることだと指摘されています。

 

                             ふたば薬局 平田店 竹尾