今月は湿布についてお話しします。
湿布とは、患部に貼って治療を行うための医薬品です。
一般的に、肩こりや腰痛等の筋肉の痛み、手首や肘・膝等の関節痛、捻挫等の症状に効果的とされています。
湿布の利点は、内服薬と違い、局所に投与することで、全身への薬の移行する量を少なくし、痛みがある部位に鎮痛効果を発揮するということです。
1日1~2枚の使用量であれば、全身への移行する量は内服よりもかなり少なくなりますが、1枚当たりの吸収量がゼロではないので、大量に貼ってしまうと貼った分だけ吸収量が上乗せされると考えられます。
消化管で吸収される内服薬のように吸収されるまでの過程で胃を通過するわけではないものの、血中に吸収され、全身に移行する量が内服薬に匹敵するとなると、胃に負担がかかることもあります。
湿布によっては、皮膚から吸収される量が多く、内服薬と同じくらい血中濃度が上昇する薬剤もあり、1日2枚を超えないことになっているものもあります。
湿布の使用は長期に及ぶこともあります。体中の痛みがあり、仕方なく多く貼っていることもあるかもしれません。しかし、全身への負担につながることがあることを念頭におきながらうまくつきあっていけるといいなと思います。
川島店 稲垣