4月のお知らせ(アレルギー性鼻炎)

 今月はアレルギー性鼻炎についてお話したいと思います。


 アレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを3大症状とするアレルギーの病気です。ダニなどが原因の「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギなどの花粉が原因の「季節性アレルギー性鼻炎」に大別されます。


 アレルギー性鼻炎は、直接命に関わる病気ではないですが、睡眠や仕事、学業など日常生活に影響を及ぼす厄介な病気です。患者数は、年々増加傾向にあり、低年齢化も進んでいます。
 アレルギー性鼻炎の予防・対策の基本は、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を避けることです。自らのアレルゲンを知ることは、とても有効です。アレルギー検査を受けることで、アレルギーの有無や、アレルゲンの特定ができることもありますが、「症状はあるのに検査では異常なし」ということもあるようです。


 次に治療法には、薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法などがあります。

 今回は一般的な治療法である薬物療法についてお話します。
 

 薬物療法は、アレルギー性鼻炎のタイプ(くしゃみ・鼻水が主な症状か、鼻詰まりが主な症状かなど)と、症状の程度に合わせて薬が使われます。薬のタイプは、内服薬・貼り薬・点鼻薬等があります。

どの薬も効果に個人差があるため、効果が実感でき、副反応の少ないものが望まれます。
内服薬は、個人に合わせて様々な剤形・成分の抗アレルギー薬を単剤又は複数の種類を組み合わせて使います。


貼り薬は、現在成人にしか使用できませんが、飲むことが苦手な場合や、服薬状況を目で見て確認したい場合など介護の必要な方にも有効です。


点鼻薬は、主に点鼻用ステロイド薬が使われます。小児から使えるものもあります。鼻に直接作用するため、体内に吸収されにくく、継続使用により3大症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)を改善する効果が期待できます。

 

その他、鼻づまりの時に使う点鼻用血管収縮薬があります。この薬は即効性があり効果を実感しやすい反面、使用制限を超えて乱用してしまうと、効果が弱くなったり、かえって症状を悪化させてしまうことがあるため注意が必要です。

さらにこの薬は、市販の点鼻薬に入っているものもあり、用法を必ず守って使用することが重要です。
  

ここ数年でスイッチOTC薬(医療用医薬品と同じ成分の市販薬)の種類も増えてきました。内服薬、点鼻用ステロイド薬等も販売されています。症状が軽い場合は、適切に選択・使用すればセルフメディケーション(自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること)が可能ではないでしょうか。
 体質やライフスタイルも併せて医師・薬剤師と相談しながら、より良い選択、治療ができると良いですね。

                                   平田店  増田