8月のお知らせ(マスク皮膚炎)

今月は、マスク皮膚炎についてお話します。

 

コロナワクチンの接種が進められていますが、今年の夏もマスクの着用はかかせません。

この時期はお子さんから高齢の方まで肌トラブルでお困りの方が多くなるようです。

 

では、マスクをするとなぜ肌トラブルが起きやすくなるのでしょう。

その原因としては、摩擦、蒸れ、乾燥の3つが大きな原因と考えられます。

 

摩擦による刺激

マスクが肌に触れるたびマスクの繊維と肌がこすれて外部の刺激から肌を守る角質が少しずつ削られてしまいます。角質が薄くなると刺激から守ってくれる「肌のバリア機能」が低下して肌荒れやかぶれを起こしやすくなります。

 

蒸れの影響

マスクの中は汗や息で蒸れて高温多湿になり、ニキビの原因となるアクネ菌や水虫の原因となる白癬菌などの雑菌が繁殖しやすくなります。

 

肌の乾燥

マスクを着けている間は高温多湿ですが、マスクを外すと一気に内側の水分が蒸発します。この時肌の水分まで同時に蒸発してしまうので乾燥を引き起こします。夏はエアコンも使用しますのでさらに乾燥が進みます。

 

これら3つの要因は、夏場は特に起こりやすくなります。ではマスクがはずせない今どのように対策すればいいでしょうか。

 

マスク皮膚炎の対策

1.自分にあった刺激の少ないマスクを使用する。

 布やガーゼのマスク(綿のものがおすすめ)が肌への刺激を抑えられますが、感染対策を考えると不織布が望ましいため状況に合わせて使い分けましょう。不織布マスクを使用する場合も肌への接触部分が少なくなるよう立体型を選んだり、同じ大きさの綿やガーゼを肌との間に挟むことで刺激を和らげてくれます。マスクが小さいと摩擦を起こしやすくなるので要注意です。

 

2.汗はこまめに吸い取る。

 マスク着用時は汗をかきやすくなります。汗をそのままにしておくと痒みやあせも、ニキビなどの肌トラブルが起きやすくなります。汗はこまめに取ることが大事ですが、タオルなどでゴシゴシこするとさらに肌のバリア機能が失われてしまうので、そっと吸い取るようにしましょう。今は汗を吸い取って保湿効果も期待できる洗顔シートや汗取りシートなどもドラックストアで売られていますのでこちらを利用してもよいでしょう。

 

3.肌の保湿をしっかり行う。

 帰宅したら清潔な手で洗顔料をしっかり泡立てて顔を洗います。ゴシゴシこすると肌が痛むので手ではなく泡でやさしく洗うのがポイントです。顔を拭くときもタオルでこすらず軽く押さえながら水分をとるようにしましょう。

 洗顔後はすぐに化粧水や乳液、クリームなどでしっかり保湿します。暑い時期は化粧水だけという方もみえますが、化粧水のみの場合化粧水が蒸発するときに肌の水分も一緒に蒸発してしまうので乳液などの油分で覆い水分が蒸発しにくいようにしましょう。乳液などの油分は肌とマスクの間でクッションような役割をしてくれるためマスクの刺激も和らげてくれます。

 保湿剤にはセラミドなど肌のバリア機能を整える手助けをする成分が入ったものが効果的です。また、肌が敏感になっている時は今まで使っていたスキンケア商品が合わなくなる時もあります。敏感肌用の商品もたくさん売られていますので薬局や皮膚科で相談してみましょう。

 

4.日焼け止めは刺激の少ない物を使用する。

 肌が敏感になっている時は肌に優しい日焼け止めを使用しましょう。こちらも薬局や皮膚科で相談できます。すでに肌が荒れてしまっている時はマスクに隠れている部分は日焼け止めを使用を控えて、日傘や帽子などでUV対策をするのがおすすめです。

 

これらの対策を行っても改善しないときは皮膚科を受診しましょう。

 

                                       ふたば薬局 村田