今月はアレルギー性鼻炎に関する減感作療法(免疫療法)についてお話します。
アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉などの様々な物質が体内に入りアレルギー反応を引き起こすことによって生じる疾患です。減感作療法はアレルギーの原因となるアレルゲンをほんの少しずつ体内に入れ徐々に慣らしていくことで、アレルギーに対する過敏な反応を減らしていく治療方法です。
臨床試験では『症状が軽くなった』『症状が出なくなった』を合わせて約80%の方に効果がありました。
減感作療法は主に『注射(皮下)』と『舌下』に投与する2種類があります。
『注射(皮下)』
開始後4~6か月間は週1~2回程度、
その後は月に1回程度の受診が必要となることが一般的です。
毎回注射に伴う痛みがあります。
『舌下』
初回受診時から1週間後に受診、
その後増量して問題がなければ月に1回または2か月に1回の受診となるケースが一般的です。
投与方法は、舌の下に薬を入れ1分間保持したのちに飲み込みます。
5分間はうがいや飲食を控え、服用前後2時間は激しい運動や入浴を控えるなどの注意も必要です。
これを毎日続けます。
注射に伴う痛みがなく、開始当初の受診回数が少なくて済むなどの利点があります。
それぞれの治療法ともにダニ、スギ花粉にアレルギーのある方が受けられます。
効果が出るまでには時間がかかり、どちらも3年以上継続して治療を行います。
ダニについては治療開始時期に特に決まりはありませんが、スギ花粉については花粉の飛散している時期は避けて治療を始めます。
今は、スギ花粉の減感作療法を開始するには丁度良い時期になります。
スギ花粉に反応する方は、数年後のスギ花粉の飛散時期を少しでも快適に過ごせるように治療を検討されてはいかがでしょうか?
平田店 野田