今月は、ノロウイルス、それもノロウイルスの消毒についてお話します。
寒さ厳しいこの時期、時々ニュースで話題になるノロウイルスによる胃腸炎・食中毒ですが、実はこのウイルスの消毒にはアルコールでは不十分だという事をご存じでしょうか。
ノロウイルスに感染すると24~48時間の潜伏期間を経て吐き気・嘔吐・下痢・腹痛といった症状を発症します。
さらにノロウイルスの怖い点は、感染力が非常に強く、またごく少量のウイルスでも感染してしまう可能性があるという点です。過去には消毒が不十分だったため、12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて感染が起きたというケースもあります。
この様に、感染力が強いウイルスのため、感染した方の吐しゃ物等の処理にも細心の注意が必要となってきます。
処理の際には、使い捨てのガウン・マスク・手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないように、吐しゃ物等をペーパータオルで静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床をふき取り、最後に水拭きをします。
また、ノロウイルスは、乾燥すると容易に空中を浮遊し、これが口に入って感染することがあります。このため吐しゃ物は、乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後は、ウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら、十分に喚気を行うことが感染防止のために重要となってきます。
なお、衣類や調理器具の消毒には0.02%の亜塩素酸ナトリウムを、吐しゃ物等の処理には0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用するようにしてください。
※次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤の成分です。一般的な市販品の原液濃度は5~6%です
が、製品の表示で濃度を確認してください。また消毒する際に塩素ガスが発生することがあ
るので、使用時は十分に換気してください。
以上の様に、非常に感染力の強いノロウイルスですが、そもそもの感染予防として有効なことが手洗いとなっています。このコロナ禍でその大切さは、十分理解されている事と思いますが、今一度、外出時やトイレに行った後、調理や食事の前での手洗いをしっかり行うよう心がけてください。
阿野田店 江川