3月のお知らせ(リフィル処方箋について)

 

 2022年度診療報酬改定で、医薬品の適切な使用の推進として「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる」リフィル処方箋が導入されることになりました。今までの通常の処方箋は医師が決めた日数分の薬を一度だけもらえるものでしたが、リフィル処方箋は定められた期間内・回数内であれば同じ処方箋で医師の診療なしで繰り返し薬をもらえることになります。

 

 このリフィル処方箋は、アメリカ・イギリス・フランスなど諸外国では既に制度化されています。中でも最も歴史が長いのがアメリカで、1951年から導入されており、長期にわたってこの制度が国内に浸透しています。日本でも、2010年あたりから議論がなされてきましたが、各団体の反発により制度化に向けての話が進んでいませんでした。

 

 患者さんにとってリフィル処方箋が導入されることのメリットは、薬をもらうためだけの受診が減るので、医療費や通院の負担が軽減されることが挙げられます。

 その一方で、デメリットもあります。医師による経過観察の機会が減るため、症状の変化に気付きにくくなり健康被害に繋がる可能性があることです。

 

 当薬局では、処方医と迅速に報告・連絡・相談ができる体制が整っています。また、必要時には FAF (電話や専用アプリによる服用後の Follow・薬学的 Assessment・医師への Feedback)を実施し、患者さんの医療の質を高める取り組みを行っています。これにより、リフィル処方箋のデメリットをできる限り小さくし、患者さんに安心して服用を継続していただけると考えています。

 

 リフィル処方箋導入によって薬剤師が担う責任はさらに大きなものとなり、より高い薬学的判断能力が求められるようになります。しかし、これまでの取り組みをさらに発展させ、地域の方々の健康を確保するために努めていきます。

 

あのだ店 宮崎