5月のお知らせ(災害時のお薬)

災害時のお薬について

 

ここ数か月地震の頻度が高まっていることからTV番組やネットニュースなどでも災害時の持ち出し袋の点検をしておくようにと呼びかけがされています。

 

最近は通販で1人用、家族用、女性用など対象者に合わせて必要な物がセットされた災害用持ち出し袋を簡単にそろえることができますので準備バッチリという方が多いと思いますが、普段のんでいるお薬の災害時対策はできていますか?

 

東日本大震災時には医療機関も薬局も多大な被害を受け、薬局では停電のためパソコンで管理している患者さんの薬歴(服用しているお薬や、病気の症状、副作用やアレルギーの有無などの記録)を見ることが出来ず、いつも服用して頂いているお薬さえもお渡しするのに苦慮したと言われています。

また、震災後しばらくはお薬を輸送する交通もマヒしてしまうため、お薬の在庫が無くなり必要なお薬をお渡しできないことも考えられます。

 

では、どんな準備をしておけばよいでしょうか?

 

① お薬手帳は常に携帯する。

  お薬手帳はとても大切です。大規模災害などで病院を受診できない時もお薬手帳でいつものんでいる

  お薬を確認できればお医者様の処方箋なしでも薬局でお薬をお渡しすることが認められる場合もあり

  ます。また、災害時の診療所ではお薬手帳をもっている方と持っていない方で診察を分けることも多く

  持っている方はスムーズにお薬を手に入れやすいようです。

 

 お薬手帳そのものを持ち歩くのが難しいときはお薬の情報が書かれた薬品情報の紙や、お薬手帳に

  貼るシールを薬局で余分にもらい財布に入れておく。

 

 電子お薬手帳を使用する場合はインターネットにつながらない場合に備えて、お薬の情報画面を

  スクリーンショットしてすぐに見られるようにしておく。

 

 

② お薬手帳に必要な情報を書いておく。

  災害時には医薬品の調達が困難になり、避難先の診療所や普段利用している薬局でもいつも服用

  しているお薬とは違うものを処方される場合があります。

  また、急な体調変化のため新たな薬が処方される場合もあるでしょう。

  いつもと違うお薬を安全に服用して頂くためにお薬手帳には既往歴や副作用歴、アレルギー歴を

  記載しておきましょう。

 

 お薬手帳に記載しておく 事柄 (※薬品情報書やお薬手帳シールを使用する時は裏面に記載しておく)

  ● 既往歴(今まで罹った病気と現在治療中の病気)

  ● 副作用歴(薬剤名とその時の症状)

  ● アレルギー歴(原因と症状)

  ● 常用している市販の薬や健康食品の名前

  

 

③ 1週間分のお薬を準備しておく。

  災害時は緊急度の高い患者さんが優先されるため、すべての方にお薬をお渡しできないこともあります。

  そのため1週間分位の薬の予備を準備しておきましょう。

  ただし、お薬は体調に合わせて処方が変わりますし、有効期限もあります。包装シートのままであれば

  通常数か月は大丈夫ですが、朝食後や寝る前など服用のタイミングごとに分包されているものは品質の

  保証が次の受診日まで位のこともありますのでお薬を薬局でもらうたびに予備薬を入れ替えましょう。

 

 1週間分の薬を災害用持ち出し袋に入れておく。(高温、多湿になる場所には置かない)

 

 インスリン注射などの冷蔵保管が必要な物は、すぐに持ち出せるよう保冷バッグを準備しておく。

 

 

 以上3つの事柄をまずは準備して災害時にそなえましょう。