12月のお知らせ(冬に早起きがつらくなる理由)

 

日が短くなり、起床時刻になってもまだ薄暗い季節になりました。毎朝、アラームが鳴っても目が覚めにくく、暖かい布団から出たくないと感じている人も多いと思います。起床時刻が同じでも冬になると起床しにくくなる原因は寒さだけではありません。その背景には体内時計機能の季節変動があります。

 日の出時刻、日の入り時刻、日長、日照量などの環境光条件はヒトの睡眠や生体リズムの季節変動を引き起こします。特に日の入り時刻(日没時刻)が早いことと、日照量が少なくなることが体内時計の時刻の遅れをもたらします。その結果、深部体温や睡眠調節に密接に関連している生体機能リズムが冬季には大幅に遅れることが分かっています。

 もう一つ、冬季に起床しにくい理由があります。冬季には睡眠時間が長くなるのです。夏季に比較して冬季には、入眠時刻には目立った変動が見られませんが、起床時刻が遅れ、結果的に睡眠時間が延長することが明らかになっています。これは脳内のセロトニン機能の低下が関連していると推定されています。

 このように冬季には起床時刻が遅れ、睡眠時間が延長するため、朝に目覚めにくくなるのです。北欧など高緯度地域では、11月初旬から始まり冬の期間持続する「冬季不眠症(mid-winter Insomnia)」と呼ばれる不眠症も報告されています。
北欧のように昼が8時間、夜が16時間などの短日条件になると寝付きも非常に悪くなります。そのため、入眠困難型の不眠症と同じ症状が出現するのです。北部ノルウェーの調査では、住民の約4人に1人が冬季不眠症に罹患していたそうです


まとめ

・睡眠リズムや睡眠時間には季節変動がある

・冬季の起床困難は日の入り時刻が早いことと日照量が少なくなることが原因

・冬季限定で強い入眠・起床困難が生じる冬季不眠症という睡眠障害がある

 

 

                                 阿野田店  中村