『ちくのうしょう』と聞くとどんな病気か想像がつく方も多いのではないでしょうか?
蓄膿症は俗称で正式な病名は『副鼻腔炎』と言います。今月はこの副鼻腔炎についてお話します。
風邪の主な原因はウィルスですが、風邪をひいて体力が低下していると細菌による二次感染を起こしてしまうことがあります。
この細菌やウィルスが副鼻腔で繁殖し炎症を起こした状態が副鼻腔炎です。
副鼻腔はおでこや目の周囲、鼻の横のほほのあたりにある4対、計8つの空洞のことを指します。
副鼻腔炎を発症するとほほや目の奥、おでこが痛くなったり、鼻水がのどへ落ちる後鼻漏やにおいがわからなくなる嗅覚障害を起こすことがあります。
副鼻腔炎は1ヶ月未満で治る『急性副鼻腔炎』と3ヶ月以上治らない『慢性副鼻腔炎』に分けられます。
それぞれ抗菌薬を服用しますが、使う抗菌薬が異なることがあります。
抗菌薬をある程度の期間服用しても完治しない場合は手術の適応になります。
近年は抗菌薬の開発により、慢性副鼻腔炎は減りつつあります。
しかし、その一方で治療や手術をしても再発を繰り返してしまう難治性の『好酸球性副鼻腔炎』が増えつつあります。
好酸球は血液中の白血球の一つで、これが過剰に活性化することが原因の一つと考られています。
好酸球性副鼻腔炎は通常の慢性副鼻腔炎の治療で使用される薬が効かないことが多く、ステロイドの服用が主な治療となりますが、それでも治らない場合は手術の適応となります。
次のような症状が見られたら副鼻腔炎かもしれません。セルフチェックしてみましょう。
・風邪をひいた後に鼻水、鼻づまりがなかなか治らない
・濁ったドロドロの鼻水が出る
・嫌なにおいがする
・ほほやおでこ、目の奥に痛みを感じたり、重く感じる
・においが感じられない
副鼻腔炎は、早期に適切な治療を受けることで症状を軽減し再発リスクも抑えられます。
気になる症状があれば、出来るだけ早めに医療機関を受診しましょう。
平田店 野田